本日は連載シリーズ「TANJA農園の仕事」Vol.2をお届けいたします!
前回の連載では、TANJA農園の広さや区画ごとの管理、そして圃場と加工というふたつの現場が連動しながらコーヒーづくりが進んでいることをご紹介しました。
今回はその続きとして、収穫前の農園が実際にどのように動いているのかに目を向けてみます。
収穫前の時期は、ただ実りを待つだけの時間ではありません。区画ごとの状態を見極め、加工場や加工設備を整備し、収穫が始まったときに作業が滞らないよう準備を重ねていく時期です。
“一杯のカップの向こう側”にある農園の仕事を、今回も少し近くからお届けします。
(1) 収穫期へ向けて動き出す農園
TANJA農園の収穫期は、6月から9月頃にかけて続きます。
収穫期に向けて、農園では年明け頃から少しずつ準備が進んでいきます。
収穫前の準備と聞くと、畑での作業を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、木の状態を見ながら剪定や病害虫対策、肥料の投入、雑草の管理、水やりを適切に行うことは大切です。
一方で、それだけで収穫期を迎えられるわけではありません。収穫されたコーヒーチェリーを運ぶトラックや道路、受け入れる加工場、加工設備など、あらかじめ整えておく必要があります。
たとえば、加工設備には、貯水タンクや果肉除去機(パルパー)、発酵タンク、乾燥機、アフリカンベッドがあります。これらの動作確認や清掃、修繕などが必要になります。収穫が始まる前の時期には、畑表からは見えにくい準備が積み重ねられています。
畑だけを見ると大きな変化が少ない時期でも、農園の中では次の収穫へ向けた土台づくりが少しずつ進んでいます。
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2) 区画ごとの違いを見極める
広い農園の中では、すべての区画が同じ環境ではありません。
木の生育状況や実のつき方、作業の進み具合は、高度や地形の傾斜、樹齢など、区画ごとの条件によって異なります。そのため現場では、一つひとつの区画を見ながら、どこを優先するのか、どのタイミングで手を入れるのかを判断していきます。
ある場所では剪定や雑草の管理を行い、別の場所では水やりを行う。さらに、加工場や加工設備の点検・清掃が行われることもあります。
同じ農園の中でも、必要な作業は場所によって変わります。だからこそ、全体の流れを見ながら段取りを組むことが欠かせません。
この「区画ごとの違い」を見ながら作業を管理していくことが、広大なTANJA農園の仕事の特徴でもあります。
(3) それぞれの仕事が同じ収穫期へ向かう
農園では、圃場での栽培管理、加工場の準備、道路や水路の整備など、それぞれ異なる仕事が同時に進んでいます。
それらは全く異なる知識や作業が必要ですが、すべてコーヒーの収穫期に向けた大事な作業です。
圃場で育ったコーヒーチェリーは、収穫されたあと加工場へ運ばれます。そのため加工場では、その果実を受け入れ、次の工程へ進めるための準備が必要になります。
つまり、圃場の動きと加工場の準備は、別々の作業でありながら、ひとつの流れの中でつながっています。
誰がどの工程を担当し、次に何が必要になるのか。現場では、そうした情報を共有しながら、作業が次の工程へスムーズにつながるよう調整されています。
区画ごとの動き、250人の作業者の配置、加工場の準備。それぞれの積み重ねが、収穫期の安定した動きにつながっていくのです。
(4) 人と段取りで動く農園
こうして見ていくと、農園の仕事は単なる畑作業ではなく、多くの人の段取りによって支えられていることが見えてきます。
広大な農園の中では、ひとつの判断が次の工程へつながり、また別の現場の動きにも影響していきます。
どの区画を先に見るのか。
どの作業を優先するのか。
加工場では、いつ受け入れられる状態にしておくのか。
そうした日々の判断が積み重なり、収穫期の農園全体の動きにつながっていきます。
収穫期が近づくにつれて、圃場、加工、設備、人の動きは少しずつ重なり合い、大きな流れになっていきます。
私たちが普段飲んでいる一杯のコーヒーの背景には、こうした準備の時間と、人の判断の積み重ねがあります。
次の連載では、いよいよ収穫期に焦点を当て、収穫されたコーヒーチェリーがどのように加工場へ運ばれ、次の工程へ進んでいくのかを、もう少し近くからお届けします。
次の連載もお楽しみに!
